会について

「点字つき絵本の出版と普及を考える会」とは

「点字つき絵本の出版と普及を考える会」は、〈目の見えない人と見える人がいっしょに絵本を楽しめるようになること〉を目指して、2002年に発足。大阪で1984年から手作りで点訳絵本を作り「てんやくえほんふれあい文庫」を開いている岩田美津子さんの呼びかけによるものでした。構成メンバーは、出版社、印刷会社、書店、点訳ボランティア、作家、画家、デザイナー、研究者などです。それぞれが経験してきた情報を交換することで、少しでも良い形で点字つきの出版物が増えていくようにと、年2回のペースで自主的な集まりをしてきました。なかなか簡単には望むような出版物が増えてはいきませんが、よりたくさんの人がこのような本のことを知って、理解を深めていただくことを願って、活動を続けています。

  1. 会のあゆみ
  2. 会の参加者

会のあゆみ

2002年(平成14年)

岩田美津子さんが、関係各社に声かけをして会が始まる。第1回会議が4月1日小学館にて開かれる。

2002年(平成14年)〜2006年(平成18年)

毎年2回ずつの会合をもち、点字つき絵本を出していく上での技術上、流通上その他の情報交換や、問題点の交換などするも、特に目立った動きはなし。

2006年(平成18年)

会として何か具体的な行動を起こそう、ということで、いままで、また現在出版されている点字つき絵本と、さわる絵本(点字はなくてもさわれる楽しみや、感触を楽しむ要素がある絵本)を調べてリストを作ることを決める。児童書を出版している約70社にアンケートをとる。

<12月>
「点字つき絵本・さわる絵本リスト (第1版)」完成!

2007年(平成19年)

<2月>
子どもたちに人気のキャラクターが主人公の「てんじつきさわるえほん」シリーズ『きかんしゃトーマス なかまがいっぱい』『ドラえもん あそびがいっぱい!』が小学館より刊行される。

『きかんしゃトーマス』画像 『ドラえもん』画像

<11月>
長いあいだ品切れになっていたデンマークのさわる絵本、『これ、なあに?』『ちびまるのぼうけん』が偕成社より復刊される。

『ちびまるのぼうけん』画像 『これ、なあに?』画像

2008年(平成20年)

<4月>
絵はさまざまな布を切って貼っている『点字つきはらぺこあおむし』の絵本が偕成社より出版される。
1冊ずつインドで手作りという絵本。

『はらぺこあおむし』画像

<10月>
書店と会が協力、ジュンク堂書店池袋本店で「見える人も見えない人も、一緒に絵本を楽しみたい点字つき絵本・さわる絵本」フェアが開催される。リストに載っている絵本50冊以上が並び、新聞等でも話題になる。岩田美津子さんのトークショーも大好評!フェアにあわせて「点字つき絵本・さわる絵本リスト」第2版もできる。このフェアをきっかけに、常設の「点字つき絵本・さわる絵本コーナー」ができ、現在も継続中。

2009年(平成21年)

<6月>
てんじつきさわるえほん『しろくまちゃんのほっとけーき』がこぐま社より出版され、マスコミに数多く紹介され、話題を集める。

<8月>
教文館ナルニア国で、「ふれあい文庫25周年記念展」に合わせて、「点字つき絵本・さわる絵本」フェアが開催され、小学館、こぐま社の編集担当者が語るギャラリートーク「点字つき絵本ができるまで」が注目を浴びた。 ジュンク堂書店池袋本店と同様に、これをきっかけに同店にも常設の「点字つき絵本・さわる絵本コーナー」ができ、現在も継続中。

2011年(平成23年)

<7月>
夏休みトーハンブックフェアの大阪、京都、岡山、福岡、札幌会場に「点字つき絵本・さわる絵本」のコーナーを出展。

<9月>
ジュンク堂書店池袋本店で2回目の「点字つき絵本・さわる絵本」フェアが開催される。岩田美津子さんのトークショー「見えない人が感じる絵本の世界」、また子ども向けワークショップ「点字シールやカードをつくろう」も大変にぎわう。「点字つき絵本・さわる絵本リスト」第3版もできる。

2012年(平成24年)

「点字つき絵本の出版と普及を考える会」が結成されて10年。
10周年を記念して会員である何社かで点字つき絵本を企画中。2012年~13年にかけての同時出版をめざす。

2013年(平成25年)

<2月>
てんじつきさわるえほん『こぐまちゃんとどうぶつえん』(こぐま社)、『ノンタンじどうしゃぶっぶー』(偕成社)、『さわるめいろ』(小学館)3冊が同時出版され、多くのマスコミに紹介される。池袋ジュンク堂で3回目の「点字つき絵本・さわる絵本」フェアが開催され、トークセッションやワークショップも大にぎわい。期間中の売り上げも、いままでにないほどの数となる。

『ぐりとぐら』画像 『ぐりとぐら』画像 『ぐりとぐら』画像

<5月>
福音館書店が『ぐりとぐら』50周年企画として点字つきさわる絵本版をつくることを発表。

<6月>
教文館ナルニア国で「てんじつきさわるえほんフェア 広がれ!点字絵本」が、1ヶ月にわたって開催される。関連イベントとして、2月に同時出版された3冊の点字絵本編集者3人のトーク、横浜盲特別支援学校の図書館に、長い間勤務されていた石井みどり先生の講演会「見えない子も、見える子も、いっしょに楽しむ絵本」も開かれ、多くの人を集めた。

<11月>
てんじつきさわるえほん『ぐりとぐら』(福音館)が、『ぐりとぐら』誕生50周年記念出版の1冊として出版され、話題をよぶ。

『ぐりとぐら』画像

2014年(平成26年)

<2月>
ジュンク堂書店池袋本店で4回目の「点字つき絵本・さわる絵本」フェア開催。教文館ナルニア国で「点字つき絵本・さわる絵本フェア」開催。
てんじつきさわるえほん『さわるめいろ』(小学館)が、「第23回けんぶち絵本の里大賞アルパカ賞」を受賞。

<5月>
てんじつきさわるえほん『さわるめいろ』(小学館)が「第61回産経児童出版文化賞大賞」を受賞。

<7月>
『さわるめいろ』が「第48回造本装幀コンクール審査員奨励賞」を受賞。

<10月>
岩田美津子さんが「毎日社会福祉顕彰」を受賞。

<11月>
「てんやく絵本ふれあい文庫」30周年記念式典とシンポジウムが、11月14日に三笠宮彬子さまご臨席のもと、大阪市中央公会堂で開かれる。

2015年(平成27年)

<1月>
『さわるめいろ』(小学館)が、「2015年IBBY障害児図書資料センター推薦図書」に選考される。
小学館より、てんじつきさわるえほん『さわるめいろ2』が発売される。

『はらぺこあおむし』画像

<2月>
岩崎書店より、バリアフリーえほん『さわってごらん だれのかお?』『サワッテゴラン ナンノハナ?』『さわってごらん いまなんじ?』復刻版が3冊同時発売される。
銀座教文館ナルニア国にて、「点字つき絵本・さわる絵本フェア」が開催される。
ジュンク堂書店池袋本店にて、5回目の「点字つき絵本・さわる絵本フェア」が開催。2月25日には、元横浜市立盲特別支援学校の石井みどり先生によるトークセッション「見えない子も、見える子も、一緒に楽しめる絵本の世界」を開催。

<2月>
岩崎書店より、バリアフリーえほん『さわってごらん だれのかお?』『サワッテゴラン ナンノハナ?』『さわってごらん いまなんじ?』復刻版が3冊同時発売される。
銀座教文館ナルニア国にて、「点字つき絵本・さわる絵本フェア」が開催される。
ジュンク堂書店池袋本店にて、5回目の「点字つき絵本・さわる絵本フェア」が開催。2月25日には、元横浜市立盲特別支援学校の石井みどり先生によるトークセッション「見えない子も、見える子も、一緒に楽しめる絵本の世界」を開催。

『はらぺこあおむし』画像 『はらぺこあおむし』画像 『はらぺこあおむし』画像

<6月>
神戸のジュンク堂書店三宮店で、初めての「点字つき・さわる絵本」フェアが行われる。

<11月>
静岡県読み聞かせネットワークと静岡図書館のご依頼により「すべての子どもたちに読書の喜びを」をいうテーマで、小学館、こぐま社、偕成社、福音館書店の点字つき絵本の編集担当者が講演。多くの図書館関係者の方に実情を知っていただく。

2016年(平成28年)

<2月>
ジュンク堂書店池袋本店で6回目の「点字つき・さわる絵本」フェア開催。福音館書店がこどものとも60周年記念出版として『てんじつきさわるえほん ぞうくんのさんぽ』を出版。著者のなかのひろたかさんと福音館書店編集者のトークセッションを開催。
「てんやく絵本ふれあい文庫」(代表/岩田美津子)が、文部科学省・厚生労働省後援 住友生命社会貢献事業『第9回未来を強くする子育てプロジェクト』住生未来大賞、文部科学大臣賞を受賞。

『はらぺこあおむし』画像

<10月>
てんじつきさわるえほん『じゃあじゃあびりびり』(偕成社)が出版される。
大阪市立中央図書館で関西初となる「さわって読む絵本展」開催。『さわるめいろ』著者の村山純子さんと小学館編集者、岩田美津子さんのトークショーなどが行われる。同時に、ジュンク堂書店難波店、大阪本店、三宮店でフェアも開催。
点字つき絵本・さわる絵本リスト (第5版)ができる。

『はらぺこあおむし』画像

<11月>
浜松市立図書館主催「すべての子どもたちに読書の喜びを」イベントで、小学館、こぐま社、偕成社、福音館書店の編集者が「点字つき絵本ができるまで」を講演。
毎日新聞主催「点字つきさわる絵本を楽しもう!」セミナー実施。偕成社、小学館、福音館書店の編集者が話す。
岩田美津子氏が、第13回本間一夫文化賞を受賞。

2017年(平成29年)

<2月>
ジュンク堂書店池袋本店で7回目のフェア開催。てんじつきさわるえほん『あらしのよるに』(講談社)を出版。著者のきむらゆういちさんと講談社編集者のトークセッションが行われる。

『はらぺこあおむし』画像

<4月>
さわってたのしむ点字つき絵本『かず』『かたち』(ポプラ社)が出版される。
スウェーデンのストックホルムで、国立点字図書館主催の「タックタイルカンファレンス」が開催される。会の元横浜盲特別支援学校図書館司書の石井みどり先生が、日本で出版されている点字つきさわる絵本を携えて参加。好評を得る。

『はらぺこあおむし』画像 『はらぺこあおむし』画像

<6月>
てんじつきさわるえほん『さわってたのしむ どうぶつずかん』(BL出版)が出版される。
茨城キリスト教大学で「さわって読む絵本のおもしろさ!」のイベントが開催され、岩田美津子さん、偕成社、小学館、福音館書店の編集者が講演、同時にワークショップや、点字つきさわる絵本の展示会も行われる。

『はらぺこあおむし』画像

<7月>
夏休みトーハンブックフェアの京都、岡山、福岡、札幌会場に「点字つき絵本の出版と普及を考える会」としてブースを出展する。

<8月>
『さわるめいろ』著者の村山純子さんが板橋区立美術館で、この絵本についての講義をする。

<12月>
小学館にて「点字つき絵本の出版と普及を考える会」第32回定例会を開催する。

2018年(平成30年)

<2~3月>
ジュンク堂書店池袋本店8階児童書売り場にて『てんじつき絵本・さわる絵本フェア』を開催する。
ジュンク堂書店池袋本店にて、「点字つき絵本の出版と普及を考える会」15周年記念として、「会の歩み 15年、山越え谷越え」と題して、こぐま社の関谷裕子さん、「『さわってたのしむどうぶつずかん』(BL出版刊)ができるまで」と題して、 BL出版の落合直也さん×偕成社の千葉美香さんのトークセッションを行う。
点字つき絵本・さわる絵本リストの第6版ができる。

<5月>
小学館にて「点字つき絵本の出版と普及を考える会」第33回定例会を開催する。

<7、8月>
夏休みトーハンブックフェアの岡山、京都、福岡、札幌会場に「点字つき絵本・さわる絵本」のコーナーを出展する。

<9月>
てんじつきさわるえほん『テルミのめいろ』(小学館)が出版される。

『はらぺこあおむし』画像

<12月>
小学館にて「点字つき絵本の出版と普及を考える会」第34回定例会を開催する。

2019年(平成31年・令和元年)

<6月>
小学館にて「点字つき絵本の出版と普及を考える会」第35回定例会を開催する。

<9月>
てんじつきさわるえほん『さわるめいろ3』(小学館)が出版される。

『はらぺこあおむし』画像

<12月>
小学館にて「点字つき絵本の出版と普及を考える会」第36回定例会を開催する。

2020年(令和2年)

<6月>
コロナウィルスの世界的な蔓延により、定例会が初の中止となる。

<9月>
てんじつきさわるえほん『かぞえるえほん』(小学館)が出版される。
『さわるめいろシリーズ』(小学館)が、「第69回小学館児童出版文化賞」を受賞。

『はらぺこあおむし』画像


会の参加者(所属先)

この会は、点字つき絵本に興味のある方ならどなたでも参加していただくことができます。原則として、1年に2回、東京で会合をもっていますので、こちらまでお問い合わせください。

出版社

ほか

印刷関係
その他

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